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>今朝の最低気温16.0度(01:03;さいたま市観測点)、晴れ。
>おはようございます。穏やかな春の朝を迎えていますが、今日もこれから大気の状態が不安定になるようです。買い物は午前中に済ませたほうがよさそう。
>5月22日に音楽評論家の吉田秀和さんが亡くなられていたことが報じられました。
>御年98歳ですから、いつかはこの時が来るとは思っていましたが、なんとなく彼は永遠に生きているというような幻想のようなものもあって、やはりショックでした。
>彼を知ったのは大学時代に朝日新聞に連載されていた「音楽展望」を読んで感銘を受けてから。
>音楽を聴くという行為の奥深さが彼の言葉から伝わって来ました。吉田秀和全集は高価だったので図書館で読みました。
>彼の「現代音楽を考える」という書物では、前衛作曲家に対して「光の当たらないところにある絵画や彫刻は存在していることになるか」(演奏されることも聴かれることもない音楽作品への比喩)というような問いかけをしているところがあり、それは師である土肥先生の考えとぴったり重なるところがあって、私の作曲観をまたひとつ前進させました。
>演奏家と聴衆あってこその作曲家。問題は聴衆の層です。
>優れた作曲家は、たとえばベートーヴェンは「全人類のために」と高らかに宣言しました。バッハも、音楽初心者から孤高の演奏家までを惹きつけてやみません。
>演奏も音楽作品も、本物とはそういうものです。
>吉田秀和さんは、私たちに本物の音楽に対する目(もちろん視力という意味ではありません)を見開かせてくれた偉大な “精神” そのものでした。
>感謝。合掌。
>05時16分に上弦。
>地震情報(日本域におけるM5.0以上、あるいは最大震度4以上の地震についてお知らせします)
今日01時36分頃、千葉県北西部(北緯35.8度、東経140.1度)を震源とするM5.2、最大震度4の地震がありました。
突き上げるような初期微動で、すぐに「大きめなのが来るぞ」という予感がありました。実際には当地では震度3程度の揺れでしたが、久しぶりに家の中の安全地帯に家族が集まるような地震でした。
>気象情報
>観測史上1位の値 更新状況(閲覧可能なのは今日だけです)
>今日のFM番組から
・午後2時00分 クラシックカフェ
フォーレ、ラヴェル、フランク。
メインプログラムはフランクの「交響曲 ニ短調」。
・午後7時30分 ベストオブクラシック・セレクション イングリット・フリッター ピアノ・リサイタル
イングリット・フリッターはアルゼンチン出身の女性ピアニスト。
ベートーヴェンのソナタ第18番と第17番。そしてショパンのワルツほか。
ベートーヴェンのソナタは第17番「テンペスト」のほうがずっと有名ですが、作曲家からみると第18番 変ホ長調 作品31-3 は非常に興味深い曲です。
冒頭の和音は、この曲が変ホ長調であることを聴衆には伝えていません。持って行き方しだいで他の調にすることも簡単です。しかし、ベートーヴェンは最初はぼやけていたカメラのレンズの焦点が合っていくかのように変ホ長調に収束させていきます。もう、これだけで興味津々。第20小節に現れる16分音符による2音のフレーズは、発展して第2主題の確保場面(第57小節)に本格的に使われます。これはテンペスト第1楽章第2主題と対をなしているように思えます(第4楽章も、テンペスト第3楽章との関連性を見出すことができます)。
・・・書き始めると長くなるので、やめておきますが、4楽章もあるのに緩徐楽章がなく(Allegro、Scherzo、Menuetto、Presto)、それなのに見事に均整のとれたプロポーションであるなど、研究する価値の高い作品です。
>5月29日の過去のできごと
1860年 スペインの作曲家、イサーク・アルベニス誕生。
1897年 モラヴィア(現チェコ)出身の作曲家、エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト誕生。
1910年 ロシアの作曲家、ミリイ・バラキレフ没。
1913年 ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」がパリのシャンゼリゼ劇場で初演、物議をかもす。バレエの振り付けはニジンスキー、指揮はピエール・モントゥー。
1922年 ルーマニア生まれのギリシア系フランス人作曲家で建築家のヤニス・クセナキス誕生。作曲家としてはメシアン門下、建築家としてはル・コルビュジエ門下。
1928年 黒澤明作品などの音楽で知られる作曲家、佐藤勝誕生。
1929年 イギリスの理論物理学者、ピーター・ヒッグス誕生。彼の名を持つヒッグス粒子は未だ未発見ですが、物質似質量を与えると考えられる重要な粒子のため、発見が期待されています。
1935年 チェコの作曲家・ヴァイオリニストのヨセフ・スク没。
1951年 チェコの作曲家、ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル没。
1953年 エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイ、エベレスト(チョモランマ)に世界初登頂。
1956年 ヨーロッパで活躍した指揮者、ヘルマン・パウル・マクシミリアン・アーベントロート没。