とむりんせんせいの定期便2

野村茎一作曲工房の日々のお知らせ

作曲工房定期便 2月18日(月)

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>今朝の最低気温マイナス2.1度(06:47;さいたま市観測点)、くもり。

>明るく輝くようなくもり空です。天気は、これから下り坂。

 

>06時29分 月と小惑星ベスタ(4 Vesta)が最接近(00°20.6′)。

>ベスタはハインリヒ・オルバースによって1807年に発見された4番目の小惑星です。オルバースは1802年に第2番パラスを発見して、これがメインベルト小惑星帯)の存在を示唆することになりました。

>このオルバースは、有名な「オルバースのパラドックス」を提唱したオルバース本人です。

>さらに捜索が続き、その後、数多くの小天体が発見されて、それらは惑星から小惑星へとカテゴリーが変わりました。

>ここで、少し時代を遡って小惑星の歴史についておさらいします。

>ことの始まりは、太陽系の惑星の位置を表す「ティティウス・ボーデの法則」によって、火星と木星の間に未知の惑星があると考えられていたことでした(現在ではティティウス・ボーデの法則は力学的な意味はなく、太陽系の惑星の配置は偶然の産物とされています)。

>そして、ついにイタリア・パレルモ天文台のジュゼッペ・ピアッジによって19世紀最初の日である1801年1月1日に新惑星「ケレス」が発見されました(とても覚えやすいですね)。

>そこへ1802年オルバースのパラス(2 Pallas)発見、1804年ドイツのカール・ハーディングによるジュノー(3 Juno)発見、1807年のベスタ発見(ここまでの4つの小惑星を“4大小惑星”といいます)が続き、ついには小惑星というカテゴリーが作られることになりました。

>2012年までに軌道が確定した小惑星は30万個を超え、発見はされているものの軌道計算が済んでいないものも合わせると60万個弱に達しています。

>20世紀はじめ(1916年)にパーシヴァル・ローウェルによって海王星の外側に新惑星の存在が予測され、1930年に、ローウェルの遺志を継いで捜索を続けていたクライド・トンボーによって新惑星 “冥王星” が発見されました。

メインベルト天体に属さない小惑星(たとえば、地球軌道よりも内側に入り込むものなど。例:433 Erosなど)を特異小惑星と呼びます。

>ところが、20世紀の終わり頃になると、特異小惑星とも呼べないような軌道の大きな小惑星が次々と発見されるようになりました。

>これらの星々はメインベルト天体とは起源も異なると考えられ、エッジワース・カイパーベルト天体EKBO)と呼ばれるようになります。(EKBOは “エクボ” と覚えます)

>2005年、ついに冥王星よりも大きいと考えられるエリス(136199 Eris)が発見されるに及んで、エリスを惑星とするか、それとも冥王星小惑星番号を付すか、ということになりました。

>蛇足ですが、小惑星エリス(11980 Ellis)という別天体があり、日本人にはLとRが区別しにくいので混同してしまう可能性があります。カナ検索の時には要注意です。

>当時、リアルタイムでことの成り行きを追っていた私たち天文ファンは、比較的早い時期に提案された「冥王星130000番」案にドキドキしていました。

>なぜか、郷愁にかられたような科学者らしからぬ発言が相次いで冥王星を惑星から外すことに反対する天文学者が少なくなく、小惑星130000番は他の天体に付されてしまいました。

>そして2006年8月24日に、IAU(国際天文連合)が準惑星の定義を採択し、ついに冥王星準惑星(134340 Pluto)となりました(覚えにくいじゃないか〜)。

IAU総会が開かれた、日本時間2006年8月24日から25日にかけて、冥王星の命運が気になって多くの人がネット上の最新情報を求めてPCに張り付いていたことでしょう(私も張り付いていました)。

準惑星には起源の異なるメインベルト天体であるケレスも、EKBO天体である冥王星も含むので、冥王星などを「冥王星型天体(plutoid)」と呼ぶことがIAUによって2008年に決定されました。

EKBOの、さらに外縁にはオールトの雲という彗星の起源と考えられる区域(隣の恒星系との境界付近まで広がっている可能性も)がありますが、それはまたの機会に。

>多くの皆さん(若い人でも)が学校時代に習った太陽系像と現在の天文学が認識している太陽系像との間には、かなり隔たりができています。

>つまり、太陽系の姿が最近になって急速に解明されつつあるということです。

>今日は書きませんでしたが、木星の衛星は66個、土星の衛星は64個が確認されています。しかし、ひょっとすると明日には土星の衛星のほうが数が多くなっているかも知れません。

>この数字は発見数ではなく、軌道などの確定した衛星の数だからです。

>また、太陽系内に生命が発見されるかも知れません。それは土星の衛星タイタンやエンケラドゥスが海底火山(熱水噴出孔)を持つかも知れないと考えられるようになってきたからです。

>それらについては、また機会があれば書くことにします。

>もし、これを読んだことによって太陽系に興味を持たれたあなたは、太陽系通になれるかも知れません。

 

>地震情報(日本域におけるM5.0以上、あるいは最大震度4以上の地震についてお知らせします)

各地の震度に関する情報

 

>気象情報

実況天気図

地域時系列予報(埼玉県)

気象衛星 赤外日本域画像

気象衛星 可視光全球画像

昨日の全国の観測値ランキング(2月17日)

 

>観測史上1位の値 更新状況(閲覧可能なのは今日だけです)

最低・日最低気温の観測史上第1位の記録が、長野県と福井県の2観測点で更新されています。2月の第1位は全部で4観測点で更新。

昨日2月17日

 

>今日のFM番組から

・午後2時00分 クラシックカフェ

モーツァルトベートーヴェンチャイコフスキー、カルロス・グアスタビーノ(1912-2000:アルゼンチン)、リムスキー=コルサコフムソルグスキー

メインプログラムは、ピレシュの弾くモーツァルト「ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調」か、それともアリス・紗良・オットの弾く「展覧会の絵」か?

番組詳細

・午後7時30分 ベストオブクラシック ザルツブルク音楽祭(1)

ヨハネス・マリア・シュタウト(1974- )「海が、われわれの上で、ふたたび閉じられるまで」

モーツァルト「ミサ曲 ハ短調 K.427」

番組詳細

 

>2月18日の過去のできごと

1455年 イタリアの画家、フラ・アンジェリコ没。

1564年 イタリアの彫刻家・画家のミケランジェロ・ブオナローティ没。

1745年 イタリアの化学者でヴォルタ電池の発明者のアレッサンドロ・ヴォルタ誕生。

1838年 ドイツの物理学者、エルンスト・マッハ誕生。音速をマッハ表記するのは、気圧や温度によって音の伝搬速度が変化するため。マッハ数は物体の対気速度と音速との比。

1853年 アメリカの東洋美術史家で、東京美術学校(現・東京芸大美術学部)の設立に尽力したアーネスト・フェノロサ誕生。

1889年 日本画家の奥村土牛誕生。

1896年 フランスの詩人でシュールリアリストのアンドレ・ブルトン誕生。「シュールリアリズム宣言」によって超現実主義を創始。

1933年 前衛芸術家のオノ・ヨーコ誕生。

1979年 アルジェリア南部のサハラ砂漠で降雪。サハラ砂漠唯一の降雪記録。

1986年 チェコの指揮者・オーボエ奏者・作曲家のヴァーツラフ・スメターチェク没。

2001年 フランスの画家バルテュス(本名:バルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ)没。

 

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一気に第10番(ソナチネ)を書き上げるチャンスかも。