作曲工房定期便 2013-10-24(木)
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>今朝の最低気温14.1度(04:42;さいたま市観測点)、くもり。
>どんよりと曇った朝で、霧雨のような小さな雨粒が時どき顔に当たるような天気でした。
>人には誰でも体調の上下があって当たり前なので、今まで何も書いてこなかったのですが「今日は胃の調子が悪い!」と訴えてウサを晴らしておきます。
>昼食抜きです。なんだかクヤシー。
>今日は、今まで書いてこなかった作曲のことにも触れましょう。
>100人の作曲家がいたら、おそらく100通りの作曲の流儀(技法ではなくて)があるのだと思います。
>一番身近な作曲家は三枝 隆(みえだ・たかし)さんですが、もう四半世紀の付き合いになるのに、最近ようやく作曲の流儀の話をしました。
>彼はモーツァルトのように、今日の冒頭からスラスラ(本人はそう思っていないかも知れないけれど)と時系列順に結尾まで書いてしまいます。
>ごく小品以外には、私にはそんなことができないので「凄い!」とビビってしまいました(本当)。
>彼はツイッターなどで、作曲の予告と経過を報告しながら、本当にそのように書き上げてしまいます。
>カッコいい〜。
>私は曲のパーツが概ね揃うまで全体像を思い描くことすらできません。
>とくにコーダ。
>コーダから曲を書き始めることさえあるくらいです(コーダが書けずに曲が間に合わない夢を見るほどの恐怖症です)。
>曲がなかなか完成しないので、いつでも同時にいくつもの曲を書いています。
>たとえば、半年くらい前から書いているピアノ・ソナタを例にとると、毎日、その主題を歌います。
>でもピアノ・ソナタに一日を費やすことは、完成が近づいてからの話です。他の曲のテーマも歌います。
>気がついたら歌います。何回でも歌います。そうしていると、多分誰よりもその主題に詳しくなってきます。
>そのうち、続きを思いついたりすることもあります(ラッキー!)。
>今度は、続きまで含めて歌います。毎日歌います。
>もし、続きが本当にそこにあるべきものでなければ、そのうち気づきます。
>そうしたらやり直し。続きのメロディーやコードに納得すれば先に進みます。
>そのくらい主題に習熟すると、第2主題や、経過句、小エピソード、コーダなどを思いついたりします。
>その頃になると、冒頭主題のDNAで発想できるようになっていますから「猫には猫ミミ」「猫のしっぽ」「猫のヒゲ」というような感じで、生き物のように統一感のあるパーツが揃っていきます。
>そして全パーツが揃ったら、いよいよ全体の構築にかかります。
>ソナタのように時系列構造、主題の共通性の構造(平面的な構造)、複旋律による立体的な構造が入り組むような大きな曲では、全体を構築していくために細心の注意を払う必要があります。
>また、猫に模様や目つきや毛並みや鳴き声の微妙な違いがあるように、DNAの統一だけでは魅力的な音楽になるとは限りません。
>構造がどんなにしっかりしていても、それだけでは骨格標本のようなものです。
>神は細部に宿るのです。
>ここが一番ワクワクどきどきするところで、作曲が唯一楽しい場面でもあります。
>発想がブラッシュアップされるたびに「天才だ〜!」と叫びながら(決して大げさな表現ではなく)作業します。
>そのようなわけで、着想を得てから数日で完成する曲(多くは小品)から、極端な例では20年を経てようやく仕上がる曲もあります。
>スラスラ書けないほうが良い点もあります(言い訳いいわけイイワケ)。
>それは、駄目な発想は長く歌っているうちに飽きてしまうことです。
>つまり、その時点で明らかに駄作的発想と気づいて淘汰されてしまうので、年月を経て恥じる作品が少し減っているかも知れません。
>でも、やはりスラスラ書けるほうが羨ましいに決まっています。
>それで、いま最新の着想は「タンゴ」です。3/8 + 2/8 +2/4(3連符+2/8)という気持ちの良い(悪い?)リズムのイレギュラーなタンゴです。
>完成は一週間後か5年後か、神のみぞ知る。
>地震情報(日本域におけるM5.0以上、あるいは最大震度4以上の地震についてお知らせします)
>気象情報
2つの台風の予想進路が重なっていて、先行きが分かりません。28号(レキマー)のほうが先行するようですが、位置の関係で27号(フランシスコ)のほうが関東地方への影響は早く現れそうです。レキマーの中心気圧は、いまだに905hPaを保っています。
昨日の最高・日最高気温は鹿児島県 天城観測点(12:10)、同 名瀬観測点(13:48)の28.5度でした。
>観測史上1位の値 更新状況(閲覧可能なのは今日だけです)
10月の記録が2観測点で更新されています。
>今日のFM番組から
・午後2時00分 クラシックカフェ
ロシア特集。リャードフ、ムソルグスキー、ラフマニノフ、グラズノフ。
アナトーリ・リャードフ(1855-1914)はロシア五人組とも関係の深い作曲家で、プロコフィエフも彼に学んでいます。
・午後7時30分 ベストオブクラシック フランスの放送オーケストラ(4)
ワシーリ・シナイスキー指揮 / フランス国立管弦楽団
ドヴォルザーク「序曲 “謝肉祭” 作品92」
メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」(Vn:ジュリアン・ラクリン)
バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番から “サラバンド”」
シベリウスの交響曲入門には第2番、あるいは今夜の第1番がお薦めです。
>10月24日の過去のできごと
1601年 デンマークの天文学者ティコ・ブラーエ没。最後の言葉は「自分が無駄に生きたことにならないように」。
1632年 初めて顕微鏡で微生物を観察して「微生物学の父」といわれるアントニ・ファン・レーウェンフック(オランダ)誕生。
1725年 イタリアの作曲家、アレッサンドロ・スカルラッティ没。ドメニコ・スカルラッティの父。
1799年 モーツァルトと同時代の作曲家、カール・ディタース・フォン・ディッタースドルフ没。
1925年 イタリアの作曲家、ルチアーノ・ベリオ誕生。「フォーク・ソングズ」(1968)は隠れた名曲。
1929年 “暗黒の木曜日”。ニューヨーク株式市場が大暴落、世界恐慌の始まり。
1948年 オーストリアの作曲家、フランツ・レハール没。
1960年 ソ連のバイコヌール宇宙基地で発射台上の大陸間弾道ミサイルR-16が爆発。約120人が死亡。燃料にヒドラジンが使われていたため、毒ガスが発生して被害が拡大。ヒドラジンは、現在でも惑星探査機などに使われています。
1974年 ソビエト時代のヴァイオリニスト、ダヴィッド・オイストラフ没。
2003年 超音速旅客機コンコルドが全機退役。
モリアキ翁がいただいた和菓子におまけとして入っていた開運小判。能書きによると「無限のパワーが引き出せる」とのこと。やった!これで地球のエネルギー問題は解決。問題は、パワーの引き出し方についての説明がなかったことです。
>この定期便は、前日の「野村茎一作曲工房日記」の続きとして書かれています。定期便だけお読みの方は連続写真や記事が飛び飛びになる可能性があります。よろしかったら、以下のリンクもどうぞ。