とむりんせんせいの定期便2

野村茎一作曲工房の日々のお知らせ

朝の定期便 2012-05-15(火)

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>今朝の最低気温18.0度(02:05さいたま市観測点)、くもり。

>おはようございます。早朝まで雨が降っていたのですが、いまはどんよりとしたくもり空です。

>今日はクラウディオ・モンテヴェルディ445歳の誕生日。歌劇 “オルフェオ” の「トッカータ」は音楽史上屈指の名曲です。

>05時10分、木星が合(木星-太陽−地球と直列すること)。

>今日は七十二候の“竹笋生(たけのこしょうず:太陽黄経55度)”。

 

>昨日もウラノメトリア試聴音源に対して“気持ち玉”をいただきました。ありがとうございます。

・1β_こきりこ 「なるほど」1票

・番外_スピカ 「驚いた」3票 「ナイス」1票

・1α-26_7つのポジション/C 「かわいい」1票

・1α-27_7つのポジション/D 「なるほど」1票

>昨日、カミさんのノートパソコン(先月買ったばかりの最新のウィンドウズ)で「こきりこ」を聴いてみたのですが、内蔵スピーカーで聴くと、まるで別の曲のように(正確には“別の曲としか”)聴こえませんでした。

>私のオーディオ環境は、imac27インチタイプにオラソニック・スピーカーを接続したものです。同じ環境で聴くのは確率的に言って可能性が低いわけですが、せめてヘッドフォンで聴いていただけたらと思います。

 

>作曲をどのように行なうのかという質問は、もう何十回も、ひょっとしたら何百回も受けてきたものですが、それにお答えすることはとても難しいことです。

>少し前に、作曲家の三枝隆さん(以後、いつも私が呼んでいる“三枝君”として登場)と作曲の方法論について話した時(もう20年以上の付き合いなのに初めて、そのことに触れました)、私たちが正反対の流儀であることが判明しました(もう、びっくり)。

>彼は冒頭部分のインスピレーションを受け、曲頭から順に書いて行くのです。

>それは、私に言わせるとモーツァルトのような凄いことで、私には小品以外無理です。

>三枝君の作曲手順を簡単に述べるとつぎのようになります。

>A主題を書いてから、その場でコントラストとしてのB主題を思いつかなければならないことになります。さらに中間部でもその場にピッタリと入るコントラストを思いつき、再現の手順もその場でカスタマイズして寸法どおりにピシっと準備、このあたりがクライマックスになります。そしてバランスよく再現部の長さを決め、もっとも難しいコーダも、前から決めていたかのようにその場でインスピレーションを得て曲を締めくくります。

>凄い。凄すぎる。

>私だって、この方法で作曲するように言われたら曲はできます。しかし、私がやったらヘボヘボの凡庸な曲になる確率のほうが高いことでしょう。

>「私だって曲の頭から書いている」というかたもいらっしゃることでしょう。歌などは、歌詞に沿って冒頭から書くことが普通です。でも、少しでも曲が長くなると、密度の低い退屈な音楽になりがちなのです。

ベートーヴェンは、いくつもの草稿を残しています。これは、彼の作曲法を研究する上で非常に役立ちます。

>有名な「月光ソナタ」の第3楽章のスケッチは、特に示唆に富んでいます。

ベートーヴェンはかなり良いインスピレーションを得ますが、それでもぴったり来るものではありません(少なくとも彼はそう感じていたはず)。

>彼は、自分が「ぴったり」と感じるまで、何例ものスケッチをとっていきます。それは決して試行錯誤ではありません。なぜなら、順を追って確実に決定稿に近づいていくからです。

>試行錯誤ではない、という証拠にベートーヴェンは部分動機を発想の原点に置いていることが分かります。つまり、音楽のDNAによる生物学的統一とでも言えばよいのでしょうか。

>猫には猫の耳、猫のしっぽがついているように、音楽も生命のようなデザインを必要としているのです。

モーツァルトは、知ってか知らずか(たぶんセンスで)それを実現していました(三枝君もそのタイプ。そんなふうに生まれたかった〜!)。

>で、私はどうかというと、曲の材料が揃っていないと怖くて曲を書き始められません。

>特に必要なのがコーダ。三枝君も、これにはのけぞって驚いていました。

>「コーダがないと書けないんですか?????????????」

>「そ、そ・・・・うなんだよ〜・・・(穴があったら入りたい)」

>私は短い曲でも、主題、コントラスト、コーダを揃えてから書き始めます。それらは、同じインスピレーションから作られるので、自動的に統一感のある音楽になります。問題はコントラスト(対比)がきちんと現れるかどうかです。

>その例として42秒の短いワルツをお聴きください。

4α_なにかうれしいことが

>曲全体が、2拍3連のポリリズムで貫かれ、たったひとつの発想でできていることがお分かりいただけると思います。

>私にとって大切なことは、ひとつ残らず全ての音が「まさにぴったり」とその場に収まることです(これが、なかなか収まらない)。

>そうなるまで、アイディアをじっくりと熟成させます。試行錯誤をしてはなりません。方向性(つまり自分自身の美的内面)をしっかりと掴んでいれば試行錯誤はあり得ないからです。

>長くなってしまいましたが、最後にバラバラな発想に統一感を与えてまとめた曲を作例としてお聴きいただいて終わりとします(最後の1小節から発想した曲です)。

5α_移り気な秋の舞曲(1分4秒)

>お読みいただきありがとうございました。

 

>地震情報(日本域におけるM5.0以上、あるいは最大震度4以上の地震についてお知らせします)

各地の震度に関する情報

>気象情報

実況天気図

地域時系列予報(埼玉県)

気象衛星 赤外日本域画像

気象衛星 可視光全球画像

昨日、沖縄県の伊原間(いばるま)観測点の日最高気温は33.0度でした。もう真夏です。そうかと思えば、北海道の朱鞠内(しゅまりない)観測点の日最低気温は氷点下1.0度と、関東地方で言えば真冬です。どこに住むかで生活は大きく変わります。

昨日の全国の観測値ランキング(5月14日)

>観測史上1位の値 更新状況(閲覧可能なのは今日だけです)

昨日5月14日

>今日のFM番組から

・午後2時00分 クラシックカフェ

イタリア音楽。レスピーギの有名な「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲」からスタートします。特筆すべきはルイージ・ダルラピッコラ(ダッラピッコラとも)(1904-1975)の「囚われ人の歌」が登場することです。基本的に12音技法を使いますが、ベルク的な叙情性を合わせ持っているために、美しく耽美的な音楽を書く作曲家です。私が作曲を勉強していた駆け出しの頃には、ダルラピッコラを知らないと「モグリ」と思われてしまうほど有名でした。気合を入れて聴いてください。きっと得るものがあることでしょう。

番組詳細

・午後7時30分 ベストオブクラシック ラ・ストラヴァガンツァ東京演奏会

ラ・ストラヴァガンツァ東京は、ヴァイオリン4、ヴィオラ2,チェロ、コントラバスリュートチェンバロからなる弦のアンサンブル。熱いファンを持つ演奏団体のようです。

プログラムは全曲ヴィヴァルディ。聴いたことがないので楽しみです。

番組詳細

 

>5月15日の過去のできごと

1567年 イタリアの作曲家、クラウディオ・モンテヴェルディ誕生。

1618年 ケプラーが惑星の運動に関する第3法則を解明(惑星の公転周期の2乗は、軌道の半長径の3乗に比例する)。発表は1619年。惑星の軌道は“真円”であるという当時の科学的常識(思い込み)を、観測的事実から“楕円軌道”へと導いた第1法則が彼の天才的インスピレーションを最も感じさせます。

1864年 デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハンマースホイ誕生。

1933年 映画監督の伊丹十三誕生。

1935年 ウクライナ出身の画家で、初期の抽象画家として知られるカジミール・マレーヴィチ没。

1948年 環境音楽の創始者であるイギリスの作曲家、ブライアン・イーノ誕生。

1967年 アメリカの画家、エドワード・ホッパー没。代表作は「ナイト・ホークス」。

1976年 モンテヴェルディの歌劇「オルフェオ」をオリジナル楽器で蘇らせたイギリスの天才的古楽器奏者・古楽研究家のデイヴィッド・マンロウが33歳の若さで没。