作曲工房定期便 2013-03-25(月)
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>今朝の最低気温8.1度(08:28;さいたま市観測点)、雨。
>おはようございます(と、言っても良い時刻だと思う)。
>今日はバルトーク132歳の誕生日。
>未だにバルトークを “新しい” タイプの作曲家であるという概念で捉えている人もいらっしゃるかも知れません。
>まるで、アインシュタインがいまでも物理学の最先端を行っているように錯覚してしまうのと同じくらい先進的だったからでしょう。
>実際には、アインシュタインは量子論から先へ進むことができず、能力の高さとは別に、彼が古いパラダイムの中にいる物理学者であることは事実です(それはアインシュタインの能力の問題ではなく、歴史の問題です、彼が天才であることに変わりはありません)。
>ピカソがそうであったように、バルトークは、そのほんの一面だけが強調されて取り上げられることが多く、30年くらい前にはバルトークのステロタイプが形成されていまいました。
>曰く、バーバリズムと民俗音楽。
>現代におけるバルトーク像は少し異なっています。
>バルトークは、古典から脈々と連なる “正統” の中心を選択した作曲家です。民謡の収集もその一環として考えると、より分かりやすくなります。
>ドビュッシーが過去の作曲家、とくにショパン作品が知られていますが、それらを研究して校訂版を遺しているように、バルトークのバッハ校訂版やモーツァルト校訂版は驚くべきものです。
>いわゆる権威ある音楽研究家の人たちがどんなに頑張って研究しても、天才以外には到達できない世界があります(もちろん、専門の研究者でなければ到達できない世界もあります)。
>「天才を知るのは天才」という言葉があるように、バルトークは、過去の天才たちが天才であったのはなぜなのかを解き明かしています。
>彼はロマンティストで、作品の大部分は歌えるものばかりです(歌曲とうう意味ではありません)。
>半世紀以上前に、バルトークの作品がセンセーショナルに取り上げられた時の情報を、無批判にそのまま受け入れてしまった人々が、それを語り継いでいることが残念でなりません。
>バルトークは、既に「拡散と浸透の時代(バルトークの影響を受けた作曲家たちの作品を通じて、そのセンスが人々の中に知らず知らずのうちに届いている状態)」を終えており、皆さんがバルトークの作品に取り組んだ時、あまり困ることはないかも知れません。
>ウラノメトリアにも「ミクロコスモス風に」と「バルトーク風に」という2曲のオリジナル、さらに「コラール」「ミクロコスモス69」という編曲ものがあります。これも拡散と浸透に一役買っていると思っています。
>今日を機会に、バルトークを見なおしてみるというのはいかがでしょうか。
>地震情報(日本域におけるM5.0以上、あるいは最大震度4以上の地震についてお知らせします)
河口湖の水面低下が気になりますが、日本域全体では不気味な静けさが続いています。
>気象情報
>観測史上1位の値 更新状況(閲覧可能なのは今日だけです)
複数の記録が更新されています。
>今日のFM番組から
・午後2時00分 クラシックカフェ
ベートーヴェンは、ソナチネアルバムに収められているロンドハ長調が放送されます。ソナチネレベルでは、ちょっと難しい曲ですが、きっと参考になることでしょう。
ところで今日は、ちょっと早起きして三ツ橋敬子さんの出演なさった昨日の「きらクラ!」の再放送を聴きました(眠いかも)。一言一言に才能ある指揮者を感じさせる三ツ橋さんでした。
・午後7時30分 ベストオブクラシック ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル
2010年ショパン国際ピアノコンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワのの2011年11月5日、オペラシティでのコンサートの様子です。
プロコフィエフのピアノ・ソナタ第2番をどのように弾くのか、とても興味があります。
>3月25日の過去のできごと
1655年 クリスティアン・ホイヘンスが土星の衛星「タイタン」を発見。
1699年 ドイツ生まれの作曲家、ヨハン・アドルフ・ハッセ誕生。バッハの生前にはバッハよりもはるかに有名で人気があった。
1867年 イタリアの指揮者、アルトゥーロ・トスカニーニ誕生。
1911年 洋画家の青木繁没。
1918年 フランスの作曲家、クロード・ドビュッシー没。
1919年 建築家の辰野金吾没。
1920年 フランスのピアニスト、ジャン=ジョエル・バルビエ誕生。
1947年 イギリスのミュージシャン、エルトン・ジョン誕生。
1980年 チェコ生まれの指揮者、ワルター・ジュスキント没。
1996年 百武彗星が地球に最接近。
1999年 ポーランド出身のピアニスト、リシャルト・バクスト没。私が中学1年生の時に初めて買ったLP(ベートーヴェンのピアノソナタ)が彼の演奏でした。
2007年 能登半島地震発生。M6.9、穴水町・輪島市・七尾市で最大震度6強。死者1名、負傷者355人。
2009年 バイエル研究家の小池宏史没。
無理!